野見山潔さんは、CBR1000RRからHAWK 11を愛車に選びました。 スーパースポーツを乗り継いできた野見山さんは、なぜHAWK 11をに乗りかえようと思ったのか。 そして今、どのように感じているのを紹介していくことにしましょう。
スーパースポーツの走りを堪能していたが……
野見山さんは、CBR600RR、CBR1000RRとホンダのスーパースポーツを乗り継いできました。 サスペンションのセッティングを変更するなどして、好みのハンドリングを追求しながら楽しんでいたと言います。
「CBR1000RRはライディングに関して不満は一つもなく、とても気に入っていました。ただ、スーパースポーツはどのマシンも夏になると熱気に悩まされるじゃないですか。それにパワーを使いきれないんです。公道で大事なのは実用速度域の加速だし、それだったら一気筒あたりの排気量が大きいツインの方が力強くて扱いやすいんじゃないかと考えるようになりました。そんな時、アフリカツインのエンジンを搭載したロードスポーツ、HAWK 11が発売されると聞いたんです」
ディーラーに最初のマシンが入荷していたと聞いて、早速実車を確認。 好感を持った野見山さんは、レンタルバイクでHAWK 11を試乗してみることにします。
「試乗して『ああ、これだ』と思いました。CBR1000RRを自分なりにセッティングしてハンドリングを追求してはいましたが、HAWK 11はその延長線上にあって、しかもとても完成されていました。ステアリングの舵角に依存するのではなく、バンク角できれいに旋回していく感じで、とても安定していたんです。ある意味、自分が求めていた理想に近かったかもしれません。今までバイクを買ったら、必ずサスペンションを調整しないと気がすまなかったんですが、HAWK 11なら標準セッティングから何も触らなくていいくらいだと思いました」
試乗後、すぐに乗り換えを決断。 HAWK 11での新しいバイクライフがスタートすることになりました。
HAWK 11は、ストリートで楽しいバイクだった
HAWK 11が納車されて、いつも走っているルートに出かけてみると、それまで乗っていたスーパースポーツであるCBR1000RRとの違いがより明確になってきました。
「良くできたバイクだなと思いました。一番はやはりコーナーでの安定度が素晴らしいことですね。安心してアクセルを開けていくことができる。直進安定性も十二分にあるし、低重心で取り回しも楽。ポジションも良いと思います。エンジンの回転が低くてもスロットルを開けると力強く加速するので、ストリートで扱いやすい特性です」
ロケットカウルがCBR1000RRと同等の防風効果を持っていることや、ハンドルの下にあるミラーが意外に見やすく、特にバイクがバンクしている時に後ろを確認しやすいこと、燃費が予想していたよりも走ってくれたことなど、次々に嬉しい発見がありました。
「なんといってもスーパースポーツと違って、下半身が熱くならないのはありがたいですね。クラッチは信号待ちで握りっぱだったのに気が付かないぐらい軽いし、スロットルも軽くて右手首も疲れません。」
”半日だけの自由”を実践する使い方
天気が良い休日、野見山さんは奥様とバイクで日帰りのショートツーリングに出かけます。 自宅がある兵庫周辺の景色の良いところを走り、食事をして帰ってくるのが、いつものパターン。
この日、走ったのは兵庫県多可郡多可町。 野見山さんご夫妻には、お気に入りのルートがあり、季節やその日の気分などでチョイスしています。
多可町は景色が良いところが多く、交通量も少ないので気持ちの良く走ることができます。 しばらく走ったら、馴染みのvero cafeで大好きなカレーのランチとコーヒー。
奥様のお仕事を考え、いつも夕方には自宅に戻るようにしているとのこと。 「半日だけの自由」というHAWK 11のコンセプトにピッタリの使い方でした。
【 shop data 】
vero cafe
兵庫県多可郡多可町加美区大袋110
TEL 090-4280-1860
営業時間 11:00〜15:00
定休日:火〜木
Webサイト:vero cafe
5ヶ月乗り続けて見えてきたHAWK 11の良さ
5ヶ月ほど色々な場所を走ってみて、更にHAWK 11のことが見えてきたと野見山さんは言います。
「HAWK 11に乗るようになって分かったのは、CBR1000RRがタイヤに荷重をかけて乗るバイクだったということです。スーパースポーツは高速、かつ高荷重で性能を発揮するように考えられていて、だから自分でも意識せずにそういう乗り方をしていたのでしょう。ところがHAWK 11は常識的な速度域でのライディングを考えて作られているから、気負いなく走ることができます。『公道で楽しむバイクは、このくらいでいいんじゃない?』とバイクに言われているような感じがします」
ツインエンジンは、扱いやすさとトルクだけでなく、ハンドリングにも影響しているようです。
「直列4気筒のCBR1000RRは、良くも悪くも良くも悪くもエンジンの存在感が大きいバイクでした。加速、減速、コーナリングの全ての場面で大きなクランクの回転からくるエンジンの存在感をいつも感じていました。それに対してHAWK 11は、コーナーリングでエンジンの存在感をあまり感じないんですよ」
つまり車体の良さをエンジンが邪魔していないということ。 理想のハンドリングを追求する野見山さんにとって、この車体とエンジンの組み合わせは、重要なポイントになっているようです。
少しずつ手を入れて自分の理想に近づける
以前乗っていたCBR1000RRは、細かくサスペンションのセッティングを変更していました。 スーパースポーツは走りを追求するという性格上、ダイレクトに反応するので、乗り方やシチュエーションによってサスペンションを調整していくと乗りやすくなるからです。
対してHAWK 11は、スーパースポーツのようにシビアではありません。 ストリートでの走行を考えた鷹揚さがあるので、野見山さんも出荷状態のままでも十分に乗りやすいと考えていました。
ただ、体重や走るステージ、ライダーのもとめるものによって、少し調整すると更に良くなることがあるのも確か。
出荷時の設定でしばらく走ってから、野見山さんはHAWK 11でも少しだけサスペンションを調整しています。
基本的に調整できるのは、前後のプリロードのみですが、それでも十分に変化が感じられるということでした。
マフラーは最近モリワキ製のスリップオンに変更したばかり。 レスポンスが向上するなど、エンジンのフィーリングが変化したと言います。
暖かくなってきたら、エンジンの特性もユーザーモードを使ってセッティングしてみたいのだとか。
こういったバイクのカスタムやセッティングは時間をかけてジックリと進められています。
実は野見山さんご夫妻は、自転車のロードバイクも楽しまれているので、バイクにかける時間がそれほど多くないのです。 でも、それこそがお二人の趣味に対するスタンス。
その時の状況や気分でバイクや自転車を選ぶので、いつも新鮮な気持ちで接することができ、短い時間を濃密に楽しむことができるのです。
そんな大人のライフスタイルに、HAWK 11はとてもマッチしているようです。
【文/後藤武(外部ライター)】 【写真/渡辺昌彦】