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サーキットでも違和感がない。HAWK 11(ホーク11)で伊藤真一が鈴鹿を走った!【HAWK 11と、人 / 伊藤真一さん 前編】

HRCワークスチームに抜擢された経歴を持つ元プロレーサーの伊藤真一さんがHAWK 11(ホーク11)に鈴鹿サーキットで試乗! プライベートでも根っからのバイク好きとしても知られる伊藤さんの、HAWK 11に対する印象は?

伊藤さんにとっての『上がりのバイク』とは?

 

今春の大阪・東京モーターサイクルショーで公開されてから、HAWK 11には注目していました。ベースとなったCRF1100L・アフリカツインシリーズは自分の好きなタイプのHonda車で、あの鼓動感あふれる力強い直列2気筒1,082ccエンジンがどのようにロードスポーツのフォーマットでまとめ上げられているのか……試乗できる機会を楽しみにしていました。

 

HAWK 11は日本市場専用モデルで、開発陣は「大人の上がりのバイク」としてベテランライダーが最後の1台に選んでも満足できるバイクを目指したそうです。最期まで最新のバイクに触れていたい!!という自分にとっては、そもそも「上がりのバイク」という感覚はまだ、ピンときません(苦笑)。

 

もちろん「上がりのバイク」ってどういうものか? のイメージは、自分も皆さんと近い考えを共有できていると思います。造り込みが美しくて、走行フィールに個性や味わいがあって、バイクライフ最後の1台としていつも傍らにおいておきたい相棒として趣味性の高いモデル、という感じですよね。

 

HAWK 11の実車を間近で見るのは初めてですが、写真で見るよりも格好良いですね! HAWK 11の外観上の特徴であるFRP製ロケットカウルは、内側にファイバーの網目が見えていて1970~1980年代のカスタム・カフェレーサーみたいで心躍ります。作り手のこだわりがヒシヒシと伝わってきます。よくぞこれを量産車の品質で造ったなぁ!! と感心しました。

 

別ジャンルのモデルをベースにロードスポーツモデルを作ると、スタイリングの仕上げにチグハグさが出たりすることがありますが、HAWK 11は上手くバランスさせてカフェレーサーのスタイリングを仕上げていますね。

 

同種の海外モデルのデザインは妙に派手だったり、個性を主張しすぎる部分がありますが、派手なカタチのモデルは乗っていて気恥ずかしいというベテランも少なくないので、HAWK 11のスタイリングはスポーティさとシックさが高次元で融合され、ライダーの感性に響くデザインになっていると思います。

 

■意外なほどのHAWK 11(ホーク 11)のサーキット適性の高さに驚嘆!

 

今回HAWK 11試乗の場は、鈴鹿8耐公式テストの合間の、鈴鹿サーキットのフルコースとなりましたが、実際に走らせてみたらしっかりサーキットでも走りを楽しめるモデルに仕上がっていて驚きました。

 

ピットロードからコース本線に入って最初の1周目、全日本ロードレース選手権で使っているCBR1000RR-RのJSB1000仕様や、鈴鹿8耐で使うEWC仕様と違和感がなかったです。CBR1000RR-Rとほぼ同じ感覚で走らせることができました。メーター読み195km/hでスピードリミッターが効くので、効き始めてから、ああ、これはストリートバイクだった、と気づいたぐらいです。

 

テクニカルで、攻略の難しさが知られている鈴鹿サーキットですが、「S字」も楽しくて、意外と「スプーンカーブ」の2つ目のコーナーも路面への追従性が良好で、スタビリティを感じながら十分な旋回性を保持できます。

スプーンはコーナリング中に旋回角度を保持しながらもう1回角度を微妙に変更する、クリップを取りにいく走り方になりますが、HAWK 11はしっかりイン側に寄ることができました。

 

先ほども言いましたがメーター読み195km/hでリミッターが効きますが、最も高速コーナーであることで有名な「130R」はそのままの速度で侵入することができます。HAWK 11は鋼管フレームで、このスピードだともっとコーナーではフレームがしなる感じかと思っていましたが、全然そのようなことはなかったですね。フレームの剛性不足感は、全くありませんでした。

 

「日立Astemoシケイン」の切り返しでは、純然たるレーシングマシンに比べると若干背の高さを感じさせますが、何の問題もなくスムーズに走り抜けることができます。十分なバンク角も確保されており、ステップは1回しか擦りませんでしたね。場所は「逆バンク」で、ガリガリガリ……と(苦笑)。

 

身につけていたライディングギアがツナギではなかったので膝を擦ってはいけないなと思い、コーナーでは意識して膝を引っ込め、基本に忠実にきちんとニーグリップしながら走っていましたが、本当にレーシングマシンを走らせているときと感覚は変わりませんでした。

 

レーシングマシンではないので、フルバンクと言ってもレーシングマシンのそれとは全然レベルは違いますが、ダンロップ製OEMタイヤはフルバンク近辺での接地感の変化もなく、安心して気持ち良く走れました。

 

Honda車でサーキットを楽しく速く走れるバイクというと、CBR1000RR-R、CBR600RR、そしてCB1000Rあたりですが、HAWK 11も意外なことに十分にサーキットの適性があり、潜在的なポテンシャルを十分に感じますね。

HAWK 11と同系統のエンジンを搭載するレブル1100も、峠道ではクルーザーと思えないくらい速く走ることができますが、HAWK 11は次元が違って、はるか上のレベルの速さがありますね。

【後編】へ続きます

【文/宮﨑健太郎(外部ライター)】

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