MODEL HISTORY

モーターサイクルヒストリア
~半世紀に渡るカタチの変化~ Monkey

モンキーの源流は東京・日野市の多摩テックという遊園地(現在は閉園)で、子供向けの遊具として作られた「Z100」というのは有名な話ですからここでは割愛しましょう。


詳しい内容はこちら→ モンキー50周年記念ページ





と、いきなりですがここでクイズです!
初代モンキーの価格は最終モデル価格の何分の1だったでしょうか?


A:約2分の1 B:約5分の1 C:約8分の1







正解は「B」


最終モデル(限定車除く)は2016年で 336,960円(税込)

初代モデルは1967年で 63,000円

正確には約5.35分の1ですが、1960年代後半の大卒初任給が25,000円前後だったことを考えると、手の届きにくい乗り物だったことがわかります。





それではもう1問!
初1967年の初代モデルから、50cc最終モデルまで、変わることなく装備されていた機能はどっち?


A:折りたたみ式ハンドル B:折りたたみ式シート







正解は「A」


初代モデルはシートの折りたたみができましたが、その後2段階調整式となり、最終的には固定式になりました。

そしてハンドルの方は折りたたみするユーザーがほとんど居なかった(車に積む時には重宝したと思いますが)後年でも、オミットされずに装備され続けていたのです。


モンキークイズはここで終了。少し興味が湧いたところで、55年に及ぶモンキーの歴史をさらに深く勉強してみたいと思います。

モンキー・ヒストリー

1967年 モンキー Z50M

1967年モデル モンキー Z50M

一般公道用モデルとして初めて車名に「モンキー」の名がついた記念すべきモデル。前後5インチのホイール&タイヤを履いたミニマムなボディに、最高出力2.5PSを発揮する49ccの空冷4ストロークOHC2バルブ単気筒エンジンを搭載。車両重量は47.5kgと非常に軽量で、見た目以上に元気な走りを見せてくれる。通勤通学や買い物などの日常使いというよりも、ハンドルとシートを折り畳んで車に積めるように作られたバイクであり、今で言うなら「キャンプの時に折り畳み自転車があると便利だよね」という感覚のレジャーバイクだと言えよう。よく見るとウインカーが付いていないのは、当時の法規制で義務化されていなかったため。1969年4月以降に生産された原付はウインカー装着が必要となる。

1969年 モンキー Z50A

1969年モデル モンキー Z50A

吸排気系の改良で最高出力は2.6PSにパワーアップ。走りの面でも前後ともに3.50-8インチのタイヤとなり、フロントのみではあるがサスペンションが追加。加えてシートは折りたたみ機能を排して厚みを持たせた新形状に改良され、乗り味は格段に向上した。またこのモデルからバッテリーが搭載され、ウインカーと右側ミラーが標準装備となっている。面白いのは前後ブレーキが自転車のようなハンドルレバーの手動式となっている点で、当時の資料には「両足が自由に使えるので、急な下り坂も安心」と書かれていた。モンキーの長い歴史の中で唯一ダウンタイプのマフラーを装着している貴重な一台でもある。

1970年 モンキー Z50Z

1970年モデル モンキー Z50Z

フロントフォークやハンドル、タイヤなどのフロントまわり一式を取り外しできる機能を有するモデル。その脱着作業を行いやすくするためモンキーシリーズ唯一となるメインスタンド(センタースタンド)が装備されている。マフラーはダウンタイプから再びアップタイプへと変更されており、前モデルで採用されていた左ハンドルレバーによるリアブレーキは一般的なフットブレーキタイプに戻された。同じ時期にフロント分離式ではない従来モデルの「Z50A」も併売されていたが、装備の違いによる価格差は無かった。初代以降ガソリンタンクに付いていた丸エンブレム(ウイングマーク)が着く最後の50ccモデルとなり、この後エンブレムは記念限定車の一部に付けられるのみとなる。

1974年 モンキー Z50J

1974年モデル モンキー Z50J

リジットだったリアにもスイングアームとダンパー付きサスペンションが装備され、ようやく前後サスペンション仕様となった。タイヤは従来のロードタイプからブロックパターンへと変更され悪路走行にも対応。この時期のホンダレジャーバイクが求めた方向性をしっかり反映したモデルに生まれ変わった。車体をコンパクトに畳めるハンドル折りたたみ機能は継続されているものの、ガソリンタンク容量が4Lにアップし、リアキャリアが標準装備となったことから、実用的な側面が強くなってきたことがわかる。新設計のフレーム、4サイクルOHC単気筒エンジン、足まわり、そして全体のフォルムなど、その後のモンキーが持つ基本パッケージがこのモデルで完成した。

1978年 モンキー

1978年モデル モンキー

当時流行していたアメリカンバイクをイメージしたティアドロップ型のガソリンタンクとなり、容量は5Lにアップ。タンクに合わせてシート形状も変更となっている。その他ヘッドライトとウインカーが大型化され、キャリアやマフラーガードの形状変更なども行われたが、全体の雰囲気は前モデルを踏襲。そしてほぼこの姿のままで約30年間、2009年のモデルチェンジまで駆け抜けていくことになる。一方性能面では1984年に最高出力3.1PSの4速マニュアルエンジンが採用され、1992年には電装系が6Vから12Vに変わるなどビッグマイナーチェンジが行われており、熟成度が増して行った。このモデルはゴールドモンキーをはじめとした多数の限定車や、ゴリラなどの派生車が作られたことからもその人気の高さが伺える。

2009年 モンキー

2009年モデル モンキー

約30年ぶりのモデルチェンジは「MY BEST SMALL」を開発のキーワードに、モンキーの特長であるコンパクトでシンプルな車体と愛らしいデザインを踏襲しながらも外観を一新。燃料タンクは1974年の4Lタンクに近い台形でまとめた新デザインとなっている。モンキー初となる電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)の採用などで、燃費は従来モデルに対し約10%向上させた100.0km/L(30km/h定地走行テスト値)を達成、最高出力と最大トルクは約10%アップとなっている。モンキーの定番装備のキックペダルも付いており、バッテリーが完全に放電した場合でも、キックによる始動ができるシステムを採用している。

2018年 モンキー125

2018年モデル モンキー125

新世代のモンキーは原付二種バイクとして登場。125ccの力強く扱いやすいエンジンや取り回しやすいサイズ感を活かしつつ、従来モデルの特徴や魅力を踏襲して誰が見てもモンキーと分かるデザインで生まれ変わった。モンキーらしさはスチールメッキ性の前後フェンダーや、フロントフォークのアウターチューブやリアスイングアームをボディ同色にするなど各所に散りばめられており、開発陣のモンキーに対する愛情が見てとれる。車体構成はヘッドパイプ、メインパイプ、エンジンハンガープレート各部に適度な剛性と強度を持たせたバックボーンフレ―ムを採用。125ccの空冷4ストロークOHC単気筒エンジンに、4速マニュアルトランスミッションの組み合わせで街乗りからツーリングまで、ストレスのない走行が楽しめるモンキーがここに誕生した。ちなみに原付二種ではあるものの一人乗り専用設計である。

2021年 モンキー125

2021年モデル モンキー125

ついにモンキーは4速から5速の時代へ。搭載される新エンジンはロングストローク化を図り圧縮比を高めるなど、力強い走りを実現した。5速トランスミッションの恩恵は今まで以上にキビキビとした走りで、市街地走行からショートツーリングまでさまざまなシチュエーションで、レジャーバイクとしての操る楽しさを味わえる。足まわりにはフロントブレーキのロックを抑制し制動時の安心感に寄与する1チャンネルABSを標準装備。カラーバリエーションは、3色のツートーンカラーが採用されている。また、このモデルから冬場のライディング必需品とも言える純正アクセサリーの「グリップヒーター」が設定された。

モンキーの魅力は変わらない

遊園地の遊具だったZ100(モンキーの原型)は、誰もがバイクを身近に楽しめて、思わずニッコリしてしまうような乗り物として愛されていたのではないでしょうか?

みんなに愛されてきたモンキーは、長い歴史の中で用途や形は様々に変化しましたが、根幹の部分は変化することなくここまで進化してきたと言えるでしょう。


50ccから125ccになったモンキーは、少し大柄になったかもしれませんが、バイクを操る楽しさとその愛くるしい佇まいで多くの人をほっこりさせる、そんな素敵なバイクだと思うのです。

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