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ヘルメットに『排気量制限』や『使用期限』があるってホント? デザイン以外にも種類や規格を知っておこう!【バイクライフ・ステップアップ講座/ヘルメット -基本編-】

バイクに乗る時に必要になるヘルメットですが、実は使用期限や排気量制限があるって知っていますか?

今回はヘルメットに定められている規格や正しい着用サイズなども含めて詳しく解説します!

 

ヘルメットの種類や安全規格についても理解しておこう

バイクと同じように、ヘルメットも好きなデザインの物を選んでも問題ないとは思います。

しかし、様々なデザインのヘルメットがある中で、どんなことを基準に選べば良いのでしょうか?

まずはホンダ ライディングギアにラインアップされているアイテムを参考にしながら、ヘルメットにはどんな種類があるのか見ていきましょう。

 

バイクのヘルメットにはどんな種類があるの?

ジェットタイプ

J-Cruise Ⅱ:63,800円(左)/AVAND2:29,700円(右)

ヘルメットのフロント部分がオープンになっていて、シールドと呼ばれる防風スクリーンが備わっているモデルを「ジェットタイプ」と呼びます。

視界が広く、シールドを開ければ顔全体がオープンになるので、街乗りからツーリングまで快適に被ることができます。

KUMAMON×CROSS CUB ヘルメット:17,600円(左)/Monkey ヘルメット:17,600円(右)

可愛らしいくまモンやモンキーのキャラクターがデザインされたファッションタイプのヘルメットもあり、こちらもジェットタイプの一つです。

丸くなっているシールドは「バブルシールド」とも呼ばれ、取り外すことも可能で、リベットで別のタイプのシールドと付け替えできるタイプもあります。

フルフェイスタイプ

Honda RX-7X:71,500円(上段左)/GT-Air II:67,100円(上段中央)/Honda X-14:80,300円(上段右)/RX-7X CB:71,500円(下段左)/Honda RX-7X(CBR 30周年記念モデル):71,500円(下段右)

顔全体、口元まで覆われたヘルメットを「フルフェイスタイプ」と呼びます。

顎の部分を守るチンガードがあるため、万が一の時の安全性が高く、主にスポーティーなバイクにマッチするデザインになっています。

種類や様々なグラフィックが豊富で、バイクやライディングギアと合わせて選ぶことができます。

オフロードタイプ

Honda TOUR CROSS 3 AF:60,500円(左)/Honda TOUR CROSS 3:60,170(右)

ダートや悪路を走るオフロードバイクやアドベンチャーバイクにマッチするヘルメットが「オフロードタイプ」です。

突き出た顎の部分はフルフェイスタイプ同様にチンガードと呼ばれますが、荒れたオフロードを走る時は、激しい有酸素運動になりますので、空気を取り込みやすいように、口元がフルフェイスタイプよりも大きく空いている形状になっています。

また、日差しのような部分はバイザーと呼ばれ、サンバイザー的な役割もありますが、本来の用途としては前を走るバイクが巻き上げた砂や泥を避けるために装備されています。

本格的なダート走行の時には、シールドを取り外してゴーグルを取り付けることも可能です。

ハーフヘルメット&ビジネスヘルメット

Ami pro FL1A:8,800円(左)/amifine FH1B:9,570円(中央)/AMISMART FJ1A:¥7,590円(右)

ヘルメットの種類には他にも、気軽さに過ぎれるハーフタイプのヘルメットや、ビジネスシーンで多く使われるヘルメットなどもあります。

比較的、リーズナブルな価格帯のものが多く、軽量で使い勝手に優れますが、ホンダ ライディングギアにラインアップされている上の3種類のヘルメットは、125ccまでの排気量制限があります。

 

乗車できるバイクに制限がある「乗車用ヘルメットの基準」

国内のヘルメットの規格には、内閣府令が定める「乗車用ヘルメットの基準」というものがあり、これを満たしていないヘルメットには125ccまでの排気量制限があるんです。

国内で販売されているヘルメットには「125cc以下用」と「排気量無制限」の2種類が存在し、125cc以下限定のヘルメットには、分かりやすいようにステッカーなどが貼られています。

ハーフ型ヘルメットのほとんどは125cc未満の排気量制限となり、後に紹介するPSCマークやSGマークが付いていても、125cc以上のバイクには使用できないことになります。

ホンダ ライディングギアの公式Webサイト(HondaGO BIKE GEAR)には、「商品特長」の規格のところにPSC/SG 125cc未満と書かれているのでチェックしてみましょう。

 

ヘルメットの後ろ側に貼ってある「PSCマーク」や「SGマーク」って何のコト?

続いては、ヘルメットの安全規格について解説していきましょう。

日本国内で販売されているほとんどのヘルメットには後ろ側にこのようなステッカーが貼ってあります。

左が「PSCマーク」で右が「SGマーク」になりますが、国内でヘルメットを販売するためには「PSCマーク」の取得が義務付けられてます。

ヘルメットの種類によっては、他にも色々なマークが貼ってありますが、それぞれどんな規格なのか見ていきましょう。

PSC

「PSCマーク」とは“消費生活用製品安全法”によって付けられるマークで、そのヘルメットが国内の安全基準に達していることを示します。

消費者の生命に関わる製品は、このPSCを取得していないと国内での販売が認められていません

PSCマークは乗車用ヘルメットの必須規格となりますので、このマークがついていないヘルメットで公道を走ると取り締まりの対象になる場合があります。

バイクのヘルメットを購入する際は、必ずPSCマークのあるものを購入しましょう。

SG

「SGマーク」とは“Safety Goods”の略で、財団法人の製品安全協会が認定した製品に付けられるマークです。

こちらは民間の認定マークなのでSGマークが無くても法的には問題ありませんが、ほとんどのヘルメットでPSCマークとSGマークはセットで付いてます。

JIS

日本の工業規格を取得した製品に付与されるこちらの「JISマーク」は、 Japanese Industrial Standardsの略で国内安全規格のひとつです。

JISマークにも排気量に制限があり、125cc以下は「JIS 1種」、排気量無制限は「JIS 2種」の2種類があります。

ちなみにアライヘルメットの製品の場合は、ヘルメットの帽体の中にJISマークが貼ってあります。

JISマークの取得は任意となりますので、このマークが無くても違反ではありませんが、国内で販売されているバイク用のヘルメットは、PSC/SGマークに加えてJISマークを取得しているメーカーも多いようです。

 

知っておくと更に安心の「レース規格」や「海外規格」

SNELL

ヘルメットの中でも審査基準が最も厳しいと言われているのが「SNELL規格」です。

ライダーが安全なヘルメットを選べるようにと、非営利団体となる「スネル記念財団」が1957年に設立され、その団体が定める安全基準を満たした製品にのみ、スネルライセンスが発行されています。

M2015、M2020のように、約5年おきに規格が見直され、その度に安全基準が厳しくなるとも言われています。

ちなみに、アライヘルメットは独自に定めている「アライ規格」というものがあり、SNELL規格を上回る厳しさで安全基準を自社で設けています。

MFJ と FIM

日本のモーターサイクルスポーツを統括している、財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会が公認したヘルメットに付与されるのが、左の「MFJ規格」です。このMFJ公認を受けていないヘルメットではMFJ公認レースには出場することが出来ません。

右の「FIMマーク」は『国際モーターサイクリズム連盟』が認証する規格で、国際格式のロードレースやモトクロスには、このマークが貼られたヘルメットがないと出場できません。

世界の規格は他にもある

ヨーロッパの規格である「ECE」やアメリカの安全規格「DOT」など、世界には他にも様々な安全規格があります。

近年のネット通販では、海外製品も気軽に購入できるようになりましたが、PSC/SGマークが貼られていないと、これらの海外規格だけでは日本の公道を走ることはできませんのでご注意くださいね。

日本ではあまり見かけませんが、知っておくと仲間にちょっと自慢できるかも?!

 

メーカーが推奨するヘルメットの「使用期限」って?

一度購入すれば、壊れるまでずっと使えそうなくらい頑丈に思えますが、ヘルメットには実は「使用期限」というものがあります

メーカーにもよりますが、アライヘルメットは使用期限を使用開始から約3年間と公表しています。

特に落としたり壊れたりしていなくても、ヘルメットを被っているうちに内装がヘタってきたり、帽体や外装が徐々にキズついたりすることで、安全基準を満たせなくなってくるからです。

また、先ほど紹介したSGマークには「対人賠償責任保険」という保証が付帯されていて、その保証期限も購入日より3年間となっていますので、ヘルメットは3年くらいを目処に新しいものに交換した方がいいですね。

多くのライダーが「ワンサイズ大きいヘルメット」を被ってしまっている?!

最後にヘルメットのサイズ選びに関するお話です。

着る服と同じように、人それぞれ頭のサイズって異なりますが、ヘルメットの場合は、もしかしたら結構たくさんの人がワンサイズくらい大きいヘルメットを被ってしまっているかもしれないからです。

というのも、実は筆者の私も、バイクに乗り始めた頃はアライヘルメットのMサイズ(58-59cm)を被っていました。

しかし、ヘルメットを買い換えるときに、量販店で自分に合うサイズをちゃんと測ってもらったら、これからは「Sサイズを被って下さい」と言われました。

それまでは自分ではMサイズがちょうど良いと思っていましたが、実際に測ったことがなかったので「これくらいがちょうどいいかも?」ってアバウトに選んでしまっていたのです。

新品のヘルメットは帽体も内装も新しく、まだ顔や頭に馴染んでいないので、被りたては少しキツいように思うかもしれませんが、しっかり自分のサイズに合ったものを選ぶことで、万が一の時の安全が得られます。

 

自分にあったヘルメットのサイズは、お店で測ってもらうのが一番!

ヘルメットのサイズはバイク用品店などで計測してもらえるサービスもあるので、そこで実際に図ってもらうのが一番です。

ヘルメットのサイズ表記は、Lサイズなら59-60cm未満とややアバウトに設定されています。

お店でサイズを測ってもらっても、どうにもサイズ感が気になったら、内装が取り替えられるモデルの場合、内装の柔らかさやフィット感を調整することができます。

ヘルメットっていうのは、きちんと自分にフィットしたサイズを選び、調整を行えば『ヘルメットを被って頭が痛くなる』ということは起こりませんし、驚くほど快適に被ることができるものです

ですから自分で「これでいいや」と思わずに、きちんとプロのアドバイス&調整を受けるのが絶対におすすめ!

是非、みなさんも自分に合ったちょうどいいヘルメットを見つけて下さいね。

※この記事で紹介しているヘルメットの価格はすべてメーカー希望小売価格(消費税10%込み)です。
【文:岩瀬孝昌(外部ライター)】

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