みなさん、こんにちは。全日本モトクロス PRブース担当です。
全日本モトクロス選手権が無事終了し、シーズンオフに突入いたしました。
これから数か月、あの激しく熱いバトルを見れないのは少々残念ですが、来シーズンの開幕までの間、モトクロスをもっと知っていただく為に、色々とお話ししていきたと思います。
今回から、モトクロスの防具について、お話しします。
第1回は重大事故を防ぐ、現代モトクロスの必須アイテム「ネックブレース」についてです。
ネックブレース=首の補強?
ネックブレースとは、モトクロスで大きなクラッシュをした際に、首の過伸展、過湾曲(伸びすぎ、曲がりすぎ)を防ぎ、ヘルメットの角で鎖骨などにあたるダメージを軽減するためにあるものです。

スタート前の小方選手、首に着けているのがネックブレースになります。

2007年モトクロス・オブ・ネイションズ(国別対抗戦)での増田選手。 全日本モトクロスで一番最初にネックブレースを付けたのは増田選手とのこと、モトクロスファンなら覚えておきたいトリビアですね。
2007年の増田選手が着けている形から、最新モデルに進化するにつれ、より薄く、強く、ライダーの邪魔をしないように進化してきています。
意外とフニャフニャ
ネックブレースの実物を手に取ってみて、手で曲げようとすると、曲がる方向には簡単に曲がってしまうと思います。
これは、クラッシュの際にヘルメットと体の間で挟まれたネックブレースが潰れたり、曲がったりすることで、クラッシュのダメージを軽減するために、わざと弱く作られています。
そんな良いものなら、全員付けてるでしょう?
実は、全日本モトクロスにおいても、装着義務はなく、装着率も100%ではありません。
なぜでしょうか???
どんな装備にも、メリット、デメリットがありますので、それもお伝えしましょう。
メリット
・クラッシュ時、首の重症事故が防げる
・むち打ち症状を防げる
一番のメリットは、時に死亡事故につながる大きな首のひねりを抑制できるという事。
アメリカの研究機関の調査では重症、死亡事故の割合が下がるのはもちろん、「負傷者の予後(怪我をしてから治るまでの日数)が90%も少なく済んだ」なんてデータもあるようです。
当たり前といえば当たり前ですが「大怪我を防ぐ」という意味でいえば、着けた方が絶対に良いものです。
デメリット
・首の動きが制限される為、周りを見渡せなくなる
・サイズが合っていないものを使用した場合、却ってひどい怪我を負う可能性がある
私もモトクロスを初めて、そろそろジャンプしたいな…となった時に購入いたしました。
着けてみて最初の感想は「周りが見えない!」です。
もちろん、全く見えないのではなく、走りながら真後ろを振り返ったり、後ろから追いついてきたライダーを見たり…が非常にしづらくなります。
視野を確保し、安全を確認するという点では、マイナスになると思います。
2点目のサイズについては、上級モデルには調整機構が付いていたりしますので、フィッティングさせればいいのですが、レンタルで借りる際などは注意が必要です。
個人的には絶対に着用したい…!
私もモトクロスコースを走ったりしますが、経験上、モトクロス/エンデューロを始めるのであれば、どんなにゆっくり走るつもりでも絶対に着けておいた方が良い装備の一つだと思います。
デメリットも確かにありますが、せっかく楽しいモトクロス、エンデューロをしていて、怪我をして何か月も走れなかったり、会社を休むことになったら悲しすぎますから!
また、2022年から MFJの規則が変わり、全日本選手権においても胸部プロテクターの着用が義務化されることが決定しました。
安全のためには絶対つけた方が良いものですが、真夏のレースは風が通らなくなるためにかなり暑く、体力が消耗することが予想されます。

2022年から義務化される胸部プロテクター。安全性と快適性の両立がポイントとなるかもしれません。
いかがでしたか?
万が一、怪我をしたとしても、なるべく軽傷ですませたいですよね?
全日本レベルの選手ともなれば、命がけで戦っていますので、人一倍、防具には気を使っています!
応援する選手がどんな装備で戦っているか?来年はそこにも注目してみてくださいね!